ファイル共有ソフトで前科者になった

shareで漫画をアップして摘発され前科者になったので、体験したことを書いてく

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ファイル共有ソフトで前科者になった -その16- 〈警察での取調べ3回目〉

毎日、「大地震が起きて俺のパソコンが証拠物保管庫の棚から転落して壊れないかな」「東日本大震災クラスの大災害が起きてHDD解析前に俺の事件どころじゃなくなって捜査中断して不起訴にならないかな」なんてありえない妄想をしてた。 この先どうなるのか不…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その15- 〈警察での取調べ2回目〉

1週間後の2月下旬。 2回目の取調べ。午後いっぱい有給休暇をとって約束の10分前に前回と同じ××警察署に着。 今回も同じ取調室に。 前回に要請されていた俺の出退勤簿・休暇簿のコピーを提出。 shareの稼働ログ、警察が傍受した通信記録と俺が自宅にいた…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その14- 〈妻へ告白〉

家宅捜索から5日後、妻の旅行からの帰宅日の夜。駅まで車で迎えに行く。 車に乗った妻から「あれ?痩せた?」と聞かれる。家宅捜索からずっと食欲がないので、やつれたかもしれない。 (後から体重計に乗ったら5kg痩せてた) 車内で妻が旅の思い出を楽しそ…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その13- 〈弁護士に法律相談、弁護人専任〉

家宅捜索の数日後、予約をしていた法律相談のため弁護士事務所を訪問。 自分の状況と質問事項をまとめた紙、 ACCS発表の毎年のファイル共有ソフト全国集中一斉取締りのマスコミ発表を印刷した紙、 著作権法の該当部分を印刷した紙、 法務省発表の刑事事件の…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その13- 〈職・贖罪〉

俺の会社の就業規則では、禁固以上の刑事罰をくらえば解雇となる。懲役で執行猶予がついても解雇である。罰金刑で済んでも非違行為に対する処分として懲戒解雇になるかもしれない。 なら今仕事をがんばっても無駄じゃないかという気もしてくる。 職場には発…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その12- 〈妻に伝えるか〉

帰宅してから、妻に摘発されたと伝えるべきか迷う。 今すぐ妻に伝えても妻にできることは無いし、楽しい旅行の邪魔をするだけなので、帰宅してから伝えようと決める。 妻に電話をかけ、スマホのLINEが使えなくなったので、これからのメッセージは携帯電話のC…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その11- 〈警察での取調べ1回目-4〉

次回の取調べは1週間後となった。平日の午後イチで半日年休を取ることになる。 俺の勤務状況を確認したいとのことで、出退勤記録簿と有給休暇簿のコピーを持ってくるよう言われる。 (後からネットで調べると、会社に家宅捜索をかけて押収することも可能な…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その10- 〈警察での取調べ1回目-3

年配刑事からの聴取中、若手刑事は箱から押収したパソコンを取り出し、警察のモニターにつないで内容を確認している。 俺のパソコンには ①OS、アプリ本体 ②自分で撮影した動画や写真 ③shareキャッシュフォルダ&ダウンロードフォルダ ④shareでダウンロードし…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その9- 〈警察での取調べ1回目-2〉

家宅捜索のときに容疑内容(shareの稼働と共有フォルダ設定)を裏付ける証拠を完璧に確認され、俺も素直に認めてたせいだろう、刑事ドラマのように怒鳴り声で「お前がやったんだろう!」と机を叩いて怒鳴ることはなく、年配刑事は落ち着いた声で淡々と話して…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その8- 〈警察での取調べ1回目-1〉

警察署に向かう前に、逮捕に備えて荷造りする。 小さな手提げバッグに、着替え(パンツ、靴下、長袖シャツ、ももひき)、歯ブラシ、電動ひげ剃り、ボールペンと大学ノート(取調記録ノートとして使う)を入れて、留置場生活に備える。 留置場では自殺防止の…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その7- 〈家宅捜索後3・弁護人探し〉

国選弁護人は起訴後しか認められないので遅すぎるし、ある程度の収入がある俺に国費負担は認められず私費負担になるだろう。 留置所には法律事務所のリストが備え付けられており、逮捕されてから看守に頼んで弁護士に来てもらい依頼することは可能なようだが…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その6- 〈家宅捜索後2 ・逮捕の恐れ〉

いろんな刑事事件のページを見ると、「最初は逮捕せず在宅捜査で進め、容疑が固まり次第、任意出頭後に警察署内で逮捕状を執行」という事例も多い。 ACCSの資料でも、家宅捜索日と逮捕日が異なってる事件がいくつかある。 法律では逮捕の要件として、容疑者…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その5- 〈家宅捜索後1・情報収集〉

これまで生きてて容疑者になったことはなく、どうすればいいのかわからないので、まずは過去の同様の事件や、刑事事件の流れを調べてみる。 ルーターと妻のノートパソコンが押収されなかったのは幸いだった。ノートを立ち上げファイル共有ソフトの摘発事例を…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その4- 〈家宅捜索3〉

年配刑事から「仕事は大丈夫?連絡してもいいよ。今日は一日出勤できないからね」と言われ、携帯電話で会社の上司に「どうしても外せない急用が発生したので今日一日休みます」と伝えた。 逮捕されてしまうと外部との連絡は一切許されず、家族や職場からは失…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その3- 〈家宅捜索2〉

「堀内さんはここに」という若手刑事の指示に従い俺は玄関前の廊下に立ち、最初の二人の刑事に続いて、後続の車から四人の若手捜査員が降りてゾロゾロと入ってきた。マンガで「ドヤドヤ」と効果音がつきそうな光景。俺は廊下に立ってそれを見るだけだ。 若手…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その2- 〈家宅捜索1〉

2月某日(平日) いつものように朝7時に起きて、7時半ごろ、朝食前に毎日の日課として庭の草木の成長を見回ろうと玄関から庭に出た。 家の真ん前にバンが駐まっている。俺の家は住宅街の中で、見知らぬ車が家の周辺に駐まることは滅多にない。 『なんだろう…

ファイル共有ソフトで前科者になった -その1- 〈前記〉

去年、ファイル共有ソフト「share」を使ったことで警察から著作権法違反として家宅捜索を受け摘発され、刑事罰を受けて前科者になった。 「よほど運が悪くないと摘発なんてされないよ」という意識(以前の俺)で著作物をアップしてる人への警鐘、これから先…