ファイル共有ソフトで前科者になった

shareで漫画をアップして摘発され前科者になったので、体験したことを書いてく

ファイル共有ソフトで前科者になった -その16- 〈警察での取調べ3回目〉

毎日、「大地震が起きて俺のパソコンが証拠物保管庫の棚から転落して壊れないかな」「東日本大震災クラスの大災害が起きてHDD解析前に俺の事件どころじゃなくなって捜査中断して不起訴にならないかな」なんてありえない妄想をしてた。
この先どうなるのか不安すぎて、そんな現実離れした妄想をしないと心の安定を保てなかった。

約一ヶ月後の3月中旬、4TBのHDDが届いたようで年配刑事から電話が来た。
俺の予定も考慮してくれて、お互いに都合のいい日に約束した。

今回は夕方に来てくださいとのことで、有給休暇をとらず定時で上がって行くつもりだったが、少し仕事が長引いて、約束時間に10分遅れて到着。
(もちろん事前に遅れる電話を入れて了解をとってある。こいつは任意要請に応じてないヤツだと思われたら逮捕の可能性が上がる。)
いつものように2階いちばん奥の取調室に。

部屋の中には俺のパソコンが入っている段ボール箱と、机の上にHDDクローン作成の機械が3台。
初回にスマホや携帯電話からデータ吸い出し作業をしていた技術担当の捜査員もいた。

今回は聴取はせず、HDDクローンの作成作業のみ。
shareプログラム本体が入ってるHDD、キャッシュが入ってるHDD、アップロードフォルダがあるHDDの3つをコピーするとのこと。
4TBのクローン作成は十数時間かかるので、今日に作業開始して、部屋の扉を封印した状態で一晩中機械を動かしておき、明日の夕方にまた来てパソコンを再度封印する。

パソコン箱の封印をやぶる前に指さして写真撮影、
パソコンからHDDを取り出してクローン機械につないで機械の液晶ステータス画面を指差して撮影、
パソコンを箱に戻して封印して撮影、
取調室から全員退出して、部屋の扉を箱と同じようにシールで封印して撮影、
とたくさん写真を撮られた日だった。

帰宅後、「軽い地震が起きてあの機械が机から落ちて、稼働中のHDDの円盤に針がぶつかって壊れたらいいのに」と思いながら寝たが、もちろんそんな事は起こるわけがない。