ファイル共有ソフトで前科者になった

shareで漫画をアップして摘発され前科者になったので、体験したことを書いてく

ファイル共有ソフトで前科者になった -その20- 〈送検〉

8月中旬
検察に送致(書類送検)したという電話が、刑事と弁護士のそれぞれから来た。
刑事からは刑事処分が決まったら内容を教えてほしいと頼まれた。
弁護士からは、担当検事に会いに行って被疑者の反省を伝え、懲役執行猶予となれば解雇され社会的罰として厳しすぎるので、社会生活を送りながら更正するためにも解雇されないよう、不起訴かせめて罰金刑にしてくれと頼む、とのことだった。

だが、証拠がはっきり固まってるので嫌疑不十分はありえず、起訴猶予となるのも難しいだろうな。同種事件では罰金刑や懲役執行猶予になってる内容なので。
せめて罰金刑になってくれればいいが、求刑は検察官のみが決められる特権事項なので、俺にも弁護士にもどうにもならない。

検察官が懲役を求刑したら裁判所が罰金の判決を出すことはほぼ無いようだ。(ネットで検索した限り交通違反で1例あっただけ。)
よほど世間を騒がせる事件でない限り、多くの裁判官は検察官からの求刑の8割掛け(執行猶予なら求刑通りの懲役+執行猶予1.5倍)の判決を機械的に出すと「相場」が決まってて、被告人家族・友人の「嘆願」や本人の反省度合いはほとんど意味が無いようだ。

唯一大きく影響するのは被害者への被害弁償と示談成立で、 特に示談内容に被害者からの「重い処分を求めない」の表明があれば確実に減刑となるが、毎年2月に定期的に行っているファイル共有ユーザー全国一斉取締りは「被害額を取り戻す」金銭目的でなく、ユーザーを減らすための一罰百戒の目的が大きいだろうから、示談に応じてもらえる可能性はほぼゼロだろう。(弁護士もそう言っていた)
そもそも示談に応じてもらえるのなら、起訴前に告訴を取り下げてもらえれば(著作権法違反は親告罪なので)検察は100%不起訴にする。
でもそうなったら検察は余罪部分で立件するよう警察に補充捜査を命じるかもしれず、数百冊を共有していた俺としてはキリがない。(一冊あたり10万円で示談するとして総額は数千万円となり俺には支払不能、逆に出版社は一冊10万円なんてはした金で示談に応じる気はないだろうし。)
示談による告訴取下げ・求刑の軽減はあきらめて、刑事罰については運を天にまかせることにする。