ファイル共有ソフトで前科者になった

shareで漫画をアップして摘発され前科者になったので、体験したことを書いてく

ファイル共有ソフトで前科者になった -その4- 〈家宅捜索3〉

年配刑事から「仕事は大丈夫?連絡してもいいよ。今日は一日出勤できないからね」と言われ、携帯電話で会社の上司に「どうしても外せない急用が発生したので今日一日休みます」と伝えた。
逮捕されてしまうと外部との連絡は一切許されず、家族や職場からは失踪したかのように思われると聞いていたが、この段階ならいいのか。

妻はどうしたのか聞かれたので、一人で旅行中と答えた。刑事はなんて言ってたかな。

リビングに置いてある妻のノートパソコンには俺のアカウントもあり、若手刑事から妻のアカウントのパスワードを聞かれたが知らないので「妻のパソコンなので知らない」と答えた。
俺のアカウントでログインして中身チェックされ、(簡単な調べ物でしか使ってないので)違法なものは入って無いのを確認すると、押収はされなかった。アカウント名とアイコンを、それぞれの名前と写真にしててわかりやすかったのが良かったんだろう。

「裸族のお立ち台」と数個の内蔵HDDがパソコンのそばに裸で置いてあり、録画したテレビ番組のTSファイルとか自分で撮影した動画写真のバックアップが入ってて、マジックで「BackUp」とか「ビデオキャプチャ」と書いてあり、刑事から「このHDDには何が入ってるの?」と聞かれてその通り答えると、「本当にそうなんだね?」「そうです」で終わりで、中身チェックや押収は無かった。同じくバックアップのBD-Rもスルーだった。

よくパソコン関係の犯罪がテレビで報道されるとき、カメラの前で「○○被疑事件 押収物一覧」の垂れ幕の下にずらっとパソコン本体、液晶モニタ、ブランクメディア、キーボードやマウスまで、おおよそパソコンに関係するもの(関係なさそうなフィギュアまで)一切合切押収されて公開されてる画像を見てたし、
反戦団体の事務所が微罪で家宅捜索され、容疑と無関係の靴箱にある靴を全て持って行かれて外に出られなくなった。」なんて事が過去にあるのを知ってたので、
俺もそうやってパソコンに関係するもの全て押収されると思ってたものだから、意外だった。

パソコンの押収中にも年配刑事と残り二人の捜査員は家中の捜索を続け、年配刑事が引き出しにあった俺の預金通帳をめくって中身チェックして他に通帳は無いのかと聞いてきたが、特に興味を引く取引履歴は無かったようだ。
ダウンロードした著作物を販売してないか疑ってるのかもしれないと思い、(俺は落したファイルは自分で読むだけなので)売ってないことを証明したくて俺のほうから「ヤフーオークションのアカウントがありますんで、ログインして確認しますか?」聞いたが、結構ですとの返事だった。

フルメタルの電動ガン(長物なので合法)が室内にゴロンと置いてあったが、何も聞かれなかった。箱に「新銃刀法規制適合品 0.98J」と書いてあったのが良かったか。

パソコン本体の他に、携帯電話(ガラケー)とスマホ(SIM無しの家庭内wi-fi専用)とインターネットの光ファイバー回線の契約書を押収された。
年配刑事が押収品目録交付書を書き、カーボンコピーの写しを渡され、余白の斜め線などに拇印を押した。
家宅捜索はもっと有無を言わさず、室内のものをひっかきまわしてグチャグチャにされると思ってたが、刑事の言葉遣いは普通で淡々と進み、押収品以外は元の場所に戻されていた。

最後に年配の刑事と一緒に家の外に出てぐるっと一周し、庭にあるプレハブ倉庫や園芸箱の中を見せて説明して、何も違法な物がないのを確認して終わり。

捜索が終わり逮捕されるかと覚悟したが、年配刑事から「捜索はこれで終わりです。午後2時に××警察署(最寄りの署)の生活安全課に来てください。」と言われ、六人がドヤドヤと出て行き、一人家に残された。
この時点で10時半。捜索が始まってからあっという間に3時間経っていた。

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